パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

言ノ葉ノ世界

言ノ葉ノ世界 (新書館ディアプラス文庫 240)

言ノ葉ノ世界 (新書館ディアプラス文庫 240)

よかった…!前作「言ノ葉ノ花」もほんとうに大好きなのだけど、これもすっごいよかった!!
なんでこんなに萌えのツボが通じているのか。砂原さんの萌えが私の萌えだ。BLの神様が与えたもうた奇跡なのか。
文章に独特の癖があるけど、自分の喋り方と近似しているので苦にならないんだと気がついた。
変わった書き方するなあ、と思うけど、なぜそう書くのかは、感覚として納得できてしまうからひっかかりがない。日本語として正しいかは別として、「決して」と「けして」の微妙なニュアンスの違いはなんとなくわかる(気がする)。
砂原さんの書く物語の人物たちは「知らない」ことを糾弾しはしないが、「知ろうとしない」態度に対してはとても厳しい。無知であることは必ずしも悪ではないし、何もかも分かり合えるはずはないが、理解する努力を諦めたらすべてが終わってしまう。
知ろうとしなければ、人は自分の心さえ知ることはできない。
理解したいと思って、信じると決めてはじめて、人は近づくことができる。
そこがはじまりなのだ。