パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

禽獣の系譜 下

それぞれの胸に埋めがたい孤独を抱えて、男たちは闇を這いずる。いったい、わかりあえた人間なんていただろうか。
烈はついに、大人になることができなかったんだな。求めても求めても与えられず、しまいには自分には得ることの叶わないものと思い込んで。愛されなかった子どもには、愛することができなかったのかもしれない。
こうなるしかなかったのだとしても、もしかしたらと思わずいられない。やりきれなさに胸を抉られる。