パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

G線上の猫

G線上の猫 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 1)

G線上の猫 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 1)

G線上の猫 第二集 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 14)

G線上の猫 第二集 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 14)

G線上の猫 第三集 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 21)

G線上の猫 第三集 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 21)

「遠い日の蝶」から遡り。結末を知って読んでなお、はらはらドキドキの波状攻撃。
ああ、まっさらなまま読めればよかった!
二つの人格の間で揺れ動く理也と、彼に惹かれていく篤志と香坂。
太陽と北風さながらにまったく異なるやり方で愛を伝えるふたりは、どちらも理也にとって重要な存在だけれど、一方の手を選ばなければならない。理也が片方の手を音楽に捧げたことを思えば、彼の選択はこうするしかなかったともいえるもので。才能に人生を捧げるならば、人格と等しくその才能も愛し尊重してくれる相手を選ぶほかないのだろう。ハチクロのはぐちゃんを思い出した。切ないなあ。
精緻に描きこまれた美麗な画面に嘆息。