パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

恋愛革命

恋愛革命 (ショコラノベルス)

恋愛革命 (ショコラノベルス)

「なよびか〜」に続いて、非常に濃くて重たい恋愛小説だった。満足。
「濃い」といっても、色っぽい描写てんこもりとかいちゃいちゃしまくりというようなことじゃない。たった一人の心が得られずに、無我夢中になって、腹を立てて、疲弊して、でも諦めきれなくて。恋愛にまつわる陰影が深いのだ。万華鏡のようにうつろう心が、淡々とした筆致で容赦なく暴き出されていく。
新装化したショコラは当たりが多くてうれしい。「散る散る、満ちる」や「つみびとの花」もよかった。明るいばかりじゃない、しんどい恋愛の話もっともっとあっていいと思う。