パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

こどもの時間 / おとなの時間

ついに扉は開かれたり。
はじめて読んだときには所狭しと飛び散る種々の液体に圧倒されて、扉を開くまえに遁走していたが、わたしも4年間で鍛えられたか。激しく切ない感情が、あらぬ液体となって迸っている。
子どもじゃいられないこどもと、大人になりきれないおとなたちのやるせない想いがびしびし伝わってきて、これでもかと胸が締め付けられた。感傷に溺れず、ちっぽな自分を笑い飛ばすユーモアと、何度でも同じ過ちを繰り返すおろかな人間への慈悲深いまなざしに満ちている。懐の深いおっとこまえな漫画。