パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

同人誌1冊

カプチーノ「ココニイルコト」
初出が95年〜03年と収録作品の幅が広い再録集なので、作者の成長の跡がまざまざとわかる。王道の男子校生徒会BLの冒頭に「その者の名を長戸和敏という。」という一文が出てきたのには、おいおい、これは時代劇か?と面食らった。やっぱり、続けていく中で人は成長していくんだな…。
続く収録作には細やかな心理描写や、一筋縄じゃいかない魅力的な脇役といった、現在の作家の持ち味に通ずるものも垣間見えて楽しく読了。