パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

コーリング / ノーウェア

コーリング (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

コーリング (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

ノーウェア (バンブーコミックス 麗人セレクション)

ノーウェア (バンブーコミックス 麗人セレクション)

2巻がでたときに、1巻の内容を覚えていたためしがない。とほほ。よって、「コーリング」もあわせて再読しました。
テロが多発する近未来の日本が舞台。
格差社会の歪みがテロというかたちで噴出するという設定には単なるファンタジーに留まらない、将来を暗示するかのような不穏さがあった。ネグレクトやワーキングプア、さまざまな事情で最下層へと身を落とした青年たちが、人間としてまともな暮らしをしたい一心でテロ対策特別班に志願し、同じように貧しさから社会に牙を剥いた青年たちと殺しあう。もしこのまま不況が回復せず、経済格差が拡がり続ければ、こんな漫画みたいな話が現実になる日がくるかもしれない…。ついそんなことを考えてしまった。
BLというファンタジーの世界に、ブラックな皮肉がぴりりとした緊張感をあたえていて、とても興味深く読んだ。
錯綜するラブの行方はもちろん、まだ明らかになっていないテロ対策特別班こと公安0課の全貌が気になって仕方ない。美貌のテロリストも登場して、続きが楽しみ。