パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

勾留中のアステリアス

勾留中のアステリアス (ディアプラス文庫)

勾留中のアステリアス (ディアプラス文庫)

うえださんにしてはめずらしく年下攻めの新刊!期待以上におもしろかった〜〜!
もとは雑誌のエロ強化特集「桃色ヘブン」用に書かれた中編とのこと。エロはもちろんうえださんの上手さが十二分に詰まった良作。
攻めの祐真は年下ながら亭主関白。受けの陽希は年上だけどかわいくて尽くし型。まるで「関白宣言」のような封建的カップルに見える二人だけれど、それは恋に目の眩んだ祐真の目から語られる一側面に過ぎない。
ささやかな諍いやすれ違いを通じて、徐々に陽希のホンネが明らかになっていく様はとてもスリリングでわくわくした。うえださんお得意の法曹界という舞台や、陽希の趣味であるサボテンといった小道具の絡め方も見事。
姉さん女房っていいもんだなあ。美人で控えめで夫をたてて、でもしめるところはしっかりしめる。こんな良妻賢母滅多にいないぞ〜!祐真、うらやましいやつめ。