カラスヤサトシ 5

カラスヤサトシ(5) (アフタヌーンKC)

いくつもの連載をかけもちし、売れっ子作家と読んでも差し障りない位置にきているカラスヤサトシ。でもこれが、ちっとも「勝ってる」匂いがしない本なんだな。
1巻や2巻のころの狂気じみた独り上手はさすがに薄れているけれど、この人の持つどうしようもない世間からの疎外感、他者とのズレみたいなものは、取り巻く人の数がどれほど増えようが消えないのだろう。もがけばもがくほど距離が広がる滑稽さに笑いながらも、どこか身につまされてならない。
サイン会の最中おもむろに散歩に出かけてしまう、担当・Ｔ田さんの相変わらずなゴーイングマイウェイっぷりが最高！