パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

同人誌12冊

米屋「優しくしないで」1・2(酷くしないで番外)「思春期のヒミツ」
本編を読んだら我慢たまらず。若者らしい、いっぱいいっぱい感剥き出しのエロがすばらしい。


バナナワニ園「ここからはじまる」「心の中はなにかでいっぱい」
「ここから〜」は雑誌掲載作の再録。教育実習生と生徒、再会愛。
「心の中は〜」は同級生同士。これ大好きだ。心の中には未来への不安やもやもやした想いが渦巻いているんだけど、言葉にできない。くだらない冗談だけ口にして笑いあって、もやもやをぶつけるように触れあって。「またな」なんて、不確かな約束だけを頼りに前へ進む。

バナナワニ園「妄語博覧会」
神楽坂はん子シャレード誌で連載していた「薀蓄風味名探偵案内」「妄語博覧会」、麗人誌連載のエッセイ「描かずにいられない!」とJ庭カタログ掲載「描き捨て御免」をまとめたエッセイ再録集。ミステリー・特撮、アニメから政界再編まで、多岐に渡るジャンルが腐女子視点で紹介されている。
このエッセイ集のいいところは、作家のマイブームに拠るだけでなく、「これだけは読んでおけ!」という王道作品をきっちり押さえているところだろう。ミステリーという巨大ジャンルを前に、いったいどこを入り口とすべきか見当がつかず右往左往している私のようなド素人にはちょうど手ごろな入門書だった。タイトルに「名探偵案内」とあるとおり、物語の主人公である探偵の魅力を切り口に紹介されている。難しい謎解きには手が伸びなくてもこれなら、しゃべくり探偵ってなにそれ!?と心惹かれる。
コミカルななかに、ぴりりとはん子さんらしいシニカルが効いていて、既読本の紹介も楽しく読んだ。この本のおかげで猛烈に「クウガ」と「IWGP」が観たくなっちまったよ…!レンタルしてくるかな。


木下けいこ「タイガー&ドラゴン 1947夏」
奥付見てもサークル名わからなかった…。
「由利先生〜」シリーズと世界観だけリンク。ノンケの編集者とホンモノ挿絵画家。あ〜、こういうもどかしい空気大好き。これだけでもいいけど、続きも読みたいような。


Rio's Club 「SUGAR CRAFT」(世界が終わるまできみと番外)
持ってるのにまた買っちゃった…。同人誌って何を持ってるのか覚えていられない。それでいて、一期一会と思って手当たり次第買ってしまう。でもこれは何度読んでもいい。


青冬青「空耳ばかり」
せのおさんの漫画のよさを言葉にするのはとてもむつかしい。どこにでもいそうなふつうの男の子たちがふっとみせる憂いの陰とか、空気の揺らぎにぐっとくる。

VOSTOK「equus/tres」
ケンタウロス漫画。
読後最初の感想が「やるとき大変だな…」だった自分をぶん殴りたい。星空の下の独白にはけっこう本気でじーんときてたんですよ、いや、まじで。

軽茶色「Perfect Rainbow」
せのおあきさんの火アリ再録集。ただしく「やおい」なストーリーに、会話の洒脱さが光る。核心を避けて互いの心を探りあう、言葉あそびすれすれの駆け引きが好き。


あと、ヘタリアの同人誌一冊。オスマン×少年ギリシャ。はじめてこのジャンル読んだけど、おもしろい〜!歴史色強いもの中心にもっと読んでみたい。