パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

幾千の夜 第2夜

幾千の夜 第2夜 (ミリオンコミックス  CRAFT SERIES 41)

幾千の夜 第2夜 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 41)

一途にひたむきにお互いのことだけ見つめているのに、すれ違っていく哲弥と宙。
互いのことが大切すぎて、相手がたいせつにしてくれている「自分」すらみえなくなってしまう。守ることばかりに必死で、相手が差し伸べる手を振り払ってしまう。
痛々しいほどまっすぐな幼い恋は、実を結んだ途端、その重さに耐えかねて落ちてつぶれた。
宙から見た哲弥はずっと、理性的で優しい理想の大人だった。哲弥は宙の庇護者でありたいという願いと、彼を求める欲望との間で引き裂かれていく。宙から見れば立派な大人だった哲弥は、ただの未熟な学生でしかなく、宙はいつしか守られているだけの子どもじゃなくなっていた。
いちばん残酷な方法で、哲弥と宙は、擬似的な庇護の関係を断ち切った。
ぼろっぼろのてっちゃんはしばらく立ち直れそうにもないので(笑)、次巻ではかっこいい大人に成長した宙がてっちゃんに喝をいれてやってくれな。