パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

よつばと! 10

よつばと! 10 (電撃コミックス)

よつばと! 10 (電撃コミックス)

これまででいちばん地味な巻だった。
その分、ありふれた日常をかけがえない今日にかえてしまう「よつばと!」マジックをより鮮やかに感じとれる。何も起こらないのに、おもしろい。何もないのに、ここにはすべてがある。
読みながら、子どもの頃の記憶がつぎつぎによみがえってきた。稲刈りのあとの田んぼ、フライパンで焼くホットケーキ、階段からボールを転がして遊んだこと。忘れていたはずの他愛ない思い出たち。
よつばって、女の子でも男の子でもない特別な生き物のように思っていたのだけど、ホットケーキを作りすぎたとうちゃんに「こんなにいっぱいつくってもおなかいっぱいでたべられないでしょ!」と怒る姿をみて、よつばも女の子なんだ、と実感。そして、よつばのお叱りにすぐさま「食べれる!」と断言したとうちゃんの格好良さったら。なんて男らしいんだ…!(私は男らしさを食いっぷりと勘違いしている節がある。)
風香への「かわいい」発言、「よつばとうそ」で披露された堂に入ったなぐさめっぷりに、この人間違いなく天然タラシだ…と確信した。無意識のやさしさで、いろんな女子を惑わせているにちがいない。
ちくしょう、好きだ、とうちゃん!(絶賛惑わされ中)