パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

エンドゲーム 2

エンドゲーム (2) (ディアプラス・コミックス)

エンドゲーム (2) (ディアプラス・コミックス)

消せない罪、癒えない傷跡、終わりのない償いと報われるはずのなかった想い。
震える小さな背中に手を差し伸べたはずが、いつからかずっと、その小さな手に温められていたこと。赦されるわけがないとこぼした涙の落ちた場所から芽生えた、やわらかくてつよい何か。
克哉の親になると決めて、最後までそれをまっとうした透に涙。庇護されるだけの子どもじゃなく、透を守れる大人になりたいともがく克哉に涙。
透にも克哉にも黒田にも、それぞれに精一杯の情があって、でもすべてがうまくいくわけじゃない。誰かの願いのかげで、今日も誰かが泣いている。だからこそ細い糸をたぐるように紡がれた透と克哉の関係は、やるせないくらいにかけがえなく、いとおしい。
やっぱりヒコさんはすばらしいストーリーテラーだ。感動しました。