パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

夜は君色

夜は君色 (Dariaコミックス)

夜は君色 (Dariaコミックス)

アパートから焼き出され、変人揃いの下宿に転がり込んだ本郷。
ミステリアスな未亡人(男)、義理の父に恋する女の子、初恋の人を探す勤労少年、迷える子羊たちを焚きつけては不敵な笑みを浮かべている食えないダンディ。厄介ごとには立ち入らず、人付き合いはあたりさわりのない距離感で。クールな常識人のはずだった本郷が曲者揃いの下宿でもまれ、情熱を取り戻すまでの物語。
本郷と大家さんのラブに負けず劣らず、下宿人たちのサイドストーリーが盛り込まれている。これまでのつげさんの作品とは一味ちがった、硬派な人情話に仕上がっていた。