パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

天国に手が届く

ついに出ました、山岳BL決定版。すっごくよかった〜。
死と隣り合わせの現場で深まる二人の関係。命を預けあいながらも、分かち合えないものがある孤独で険しい道のり。男同士の恋愛の舞台として、これほどおあつらえ向きな場所もないでしょう!
人懐こそうにみえて負けん気の強い佐和、男っぽいのにじつは繊細な小田切
性格は正反対だけど、山のこととなれば息ぴったりな二人が、登山を通じて少しずつ心を通わせていく様がとても丁寧に描かれていて好感。小田切と叶さんの関係を安易に恋愛関係に落とし込むことなく、しっかり家族愛として描いたことが作品に奥行きを与えている気がした。
凛と澄んだ山の空気みたいなすがすがしいラブストーリーだった。次作が楽しみ。