パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

犬のいる窓

犬のいる窓 (文春文庫)

犬のいる窓 (文春文庫)

御宿かわせみ」シリーズで有名な平岩弓枝の現代ミステリー。
日々ホモ漫画・ホモ小説ばかり読み漁っている私が、なぜいきなりこんなにまともな小説を読み出したかというと…ホモだからです!!
閑静な山の手の住宅街で愛犬が相次いで殺される事件が起こる。警官あがりの犬の調教師・大山源太郎と同級生で獣医の小柳忠介は、コンビを組んで真相の解明に乗り出す。
このあらすじだけ読めばスタンダードな相棒ものミステリーのようですが、どうやら忠介は源太郎に気があるようなのだ。女ったらしの源太郎が女性に粉をかけるたび、忠介はあの手この手で横槍をいれていく。鈍感な源太郎は忠介を厄介なお邪魔虫と疎んじているものの、女性とベッドをともにしている真っ最中に悲しげな忠介の顔を思い浮かべてしまったりしているあたり、まんざらでもないとしか思えません!
独り暮らしの美貌のホステス、かつて同僚だった婦警、盲目の美少女と花から花へと渡りあるく源太郎が、なんだかんだで忠介に手なづけられていく様ににんまり。
男二人が公園で仲良くピクニックしているラストシーンには萌えざるをえない。