パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

愛で痴れる夜の純情 華園編

愛で痴れる夜の純情 華園編 (花丸コミックス)

愛で痴れる夜の純情 華園編 (花丸コミックス)

鈴木あみの小説を挿絵の樹要がコミックス化。
遊郭かつ花魁×花魁という濃ゆい設定に、なかなか原作には手が伸びずにいた。コミックスならさくっと読めるか、とものは試しと読んでみる。
犬猿の仲として知られる『花降楼』の二枚看板、蜻蛉と綺蝶。素直になれないだけで、二人の心の奥にはいまも遠い日に交わした約束が大切にしまわれていた。
金持ちに蜻蛉が身請けされそうになり、キレた綺蝶に蜻蛉が折檻し、最後は男らしくスーツで決めた綺蝶が蜻蛉を門の中から攫っていく。さすが人気シリーズだけあって、しっかりツボを押さえた王道ロマンス。
腹黒いけど一途な綺蝶も意地っ張りだけど純情な蜻蛉も、独占欲ではいい勝負している。こってり濃厚な執着愛を、樹要の涼しげな絵柄が華やかに仕上げていて読みやすかった。