夜の寓話
- 作者: 杉原理生,木下けい子
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2011/01/29
- メディア: 新書
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ラノベ調SFファンタジー「星の国から」、独白めいた一人称で紡がれる隠微な官能小説「37℃」、児童文学みたいにやわらかで清廉な空気をまとった「世界が終わるまできみと」など、ストーリーだけでなく文体や人称も変幻自在に操って、毎回異なる世界観を構築してみせる。
杉原さんはきっと読書家なんじゃないかな。本が好きで、いろんなジャンルの小説を読んできた人でなければ、こうは書けないんじゃなかろうか。
「夜の寓話」でもあたらしい一面を見せてくれた。
ここのところかわいこちゃんが多かったということで、今回は大人の執着愛。由緒ある芸術家一族の死にまつわる秘密を骨格に、硬派なミステリーに仕上がっていた。二段組で読み応え満点。