パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

夜が明けるまで

夜が明けるまで (リンクスロマンス)

夜が明けるまで (リンクスロマンス)

病弱な弟の看病で家族が留守がちだったため、幼い頃から従兄弟の家に預けられて育った怜一。
しっかり者の優等生でとおっている怜一を、なぜか従兄弟の恭介は「さみしがり屋の泣き虫」呼ばわりし、何かにつけてかまってくる。彼の優しさに戸惑いつつも、怜一はやがて彼のとなりにいると戸惑い以上の心の揺れを覚える自分に気づき…。
「よい子」でいることに息切れしかけている怜一を、大人の男である恭一がやさしく、ときに強引に解きほぐしていく王道な「年の差」もの…のはずなんだけど、随所に散見される恭介の「残念」っぷりがおもしろい。
互いにコンプレックスを抱えていた兄弟の和解シーンがよかった。