パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

紫紺の旗の下に

紫紺の旗の下に (KAIOHSHA COMICS―GUSH COMIC BUNKO)

紫紺の旗の下に (KAIOHSHA COMICS―GUSH COMIC BUNKO)

高校応援団の体育会系な日常を描く群像劇。
だけど、透明感ある作画が男くささを感じさせない。ストーリーより絵を楽しむ漫画かな。
トーンワークや余白の使い方がいかにも時代を感じさせる。南野ましろの「月と専制君主」や、小鳥衿くろ「潮路ヶ浜3丁目」なんかに通じるものがあるなあ。いまとなってはレトロな印象をうけるが、個人的にはこの詩情溢れる画面構成がたまらなく好きなのだ。
こうした表現の源流にあたるのはやっぱり、高河ゆんとかなのかな。自分にとって90年代初頭は空白地帯なのでいちど体系的に読んでみたい(と、思ったまんまずっときている)。