パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

動物園の鳥

動物園の鳥 (創元推理文庫)

動物園の鳥 (創元推理文庫)

旅立ちの最終巻。
人を変えることはできないけれど、ずっと変わらずにいることもできない。
これまでさまざまな謎解きに巻き込まれてきた坂木と鳥井だが、シリーズ最大の謎は、彼らふたりの不思議な関係そのものだったのだ。これまで書き連ねたもやもやも、すべて最後の謎解きへの伏線だったのか。まんまとはめられた。
読んでいる間は「こにくたらしい奴」と思っていのに、鳥井ともこれでお別れと思うとなんとも淋しい。気づけば鳥井にもともに食卓を囲む仲間ができていたように、彼らはいつの間にか、私の心のなかにも入り込んでいたようです。