リンゴに蜂蜜
- 作者: 秀良子
- 出版社/メーカー: ソフトライン 東京漫画社
- 発売日: 2011/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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結婚後も関係を続けたいなんてムシのいいことをいう相手に、夏樹ははっきり別れを切り出すことができない。スーパーで笑顔の親子連れを見かけたり、帰り道の月がきれいだったり、カレーが辛かったり。なんでもないことが、夏樹にひとりぼっちのさみしさを知らしめる。
そんなとき、夏樹の日常に突如現れたコマノという失礼な後輩。
女の子と見間違って夏樹をサークルに勧誘してきたコマノは、夏樹が男とわかってからも何かにつけて声をかけてくる。いつも自分のペースを崩そうとしないコマノに戸惑いながらも、夏樹は自分とは対照的なまっすぐなコマノに惹きつけられずにいられない。
「臆病なゲイとちょっと無神経なノンケ」の組み合わせが大好物なので、とってもおいしくいただきました。
子の人、漫画がうまいなあ。言葉にならない「空気」みたいなものが伝わってくる。
同時収録の「世界の終わりのなつもよう」は独特の雰囲気の作品。前作「イケメン君とさえない君」もそうだったが、BLの枠からはみだすというか、恋愛とも友情とも呼びようのない「特別」を、秀良子さんの物語は絶妙のさじ加減で掬い上げる。
「こりゃだめだ」と自覚する一歩手前、「もしかして」と「気のせいだろ」の間をさ迷う微熱の心もとさがとてもリアル。