パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

天使のため息〜セカンド・メッセンジャー 1〜

セカンドメッセンジャーシリーズ第1巻。
警視庁麻薬捜査チーム・通称「離れ」に配属された新人・真野は、捜査官として並外れた才能をもちながらもチームワーク無視の問題児。過去のトラウマから真野が他者とうまくコミュニケーションをとれないことを知るチーム長の八木は、彼の頑なな心を開かせようと苦心するが、堅物・八木と鉄仮面・真野の距離はなかなか縮まらない。
主人公二人が揃って朴念仁なんて一体どうなることやらと心配したが、そこはさすが「刑事もの」。お節介な野次馬…もとい、親切なチームメイトたちがひやかしてみたり、焚きつけてみたり、いい具合に二人を揺さぶってくれる。
軟派な二枚目のふりして気配りの人な長谷川、紅一点にしてチーム一の武闘派・深山、体育会系の直情正義漢の大滝、そして、スキンヘッドに龍の刺青を刻んだ自称占い師「四代目」。個性豊かな脇役たちのやりとりはコントみたいで楽しかった。
もともとはこの一冊で完結だったものらしいけれど、作者もあとがきで語っているとおり、かなりのダイジェスト版になっていて、これだけでは?の残る部分多数。ぜひとも二巻では、謎だらけの四代目の内面に迫ってほしい!