パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

3月まとめ

BL小説:12冊
BL漫画:30冊
一般小説:1冊
一般漫画:43冊
雑誌  :1冊

計87冊


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今月の漫画MVPは、なんといっても末次由紀ちはやふる!最高にアツい体育会系文化部漫画。いまさらながら、すっかり夢中です。
谷川史子「吐息と稲妻」をきっかけに、著者作品を一気読み。どの本もいっさいハズレなしの非常にウェルメイドな少女マンガ。切なく、苦しく、いとおしい恋の破片に胸を貫かれた。
坂田靖子「ベルデアボリカ2巻も、波乱を予感させる展開で目を離せない。

BL漫画では、神楽坂はん子「ひとつやね」ARUKU「虹の村のチロリ」腰乃「鮫島くんと笹原くん」など、作家の持ち味が如何なく発揮された良作がたくさんあった。
今月創刊されたBL漫画誌「on BLUE」はとても粒揃いなラインナップ。今後が楽しみ。


小説はあまり重いものに手が伸びず、サクッと読めるラブコメ中心。
月村奎「おとなり」鳩村衣杏「兄弟は恋のはじまり」は、ともによいケンカップルでした。変態で純愛な匂いフェチラブコメ絢谷りつこ「君の香りに恋をして」もおバカでかわいくて私は大好き。
金丸マキ「神様も降りてこない森」は、またしても隠れた名作。金丸マキさんのJune作品は、軽快な筆運びで人間の深いところをえぐってくる。シリアスなストーリーを包み込む、おおらかなユーモアセンスがとても好み。私の求める「物語」そのものだ。たけうちさんや菅野さんと並んでぜひまた書いてほしいと願ってやまない作家さんのひとり。

ちはやふる」を読んで以来、少女漫画スイッチが入っている。いまのうちにBLじゃない漫画をもりもり読むぞ。

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まとめをつくるのにあらためて3月の読書記録をたどっていた。たった一月ほどまえのことなのに、震災以前の日々がずいぶん遠くに感じる。
気候が和やかになるにつれて停電もおさまり、地震直後の混沌も過ぎ去ったかのようだけれど、何も終わってはいないんだな。あの3月11日以前と以後では、気持ちのうえで明らかな断絶がある。画面上に残っているのはいつもどおりの読書の記録だけれど、本を手にとる、読みたいと感じる、お金を払って連れ帰る、部屋に戻ってページをめくる。これまでずっと当たり前に繰り返した、そのひとつひとつを顧みずにいられなかった。
読みたいと思っていいのか、このお金を本に使っていいのか、本を読んでいていいのか。被災した人もしなかった人も、ほんとうにたくさんの人が、自分が当たり前に愛していた日常についてたちどまって考えずにいられなかったと思う。
圧倒的な災害の映像を前にしては、読書なんて当然頭から吹き飛んでいたし、友人と過ごしていた時間にはほとんど本は読まなかった。私にとって本は、いつ何時も手放せないものではない。生き死にに差し迫る事態を前にして、本なんて読んでいられない。
でも、なんとか平穏が戻ってひとりの部屋に帰ったとき、私は本を読んでいた。
読むことこそが、私にとって「日常」を取り戻すことなのかもしれないと思った。
少しでもはやく多くの人たちの手元に、当たり前だった「日常」が戻るように、できることをしていこうと思います。