パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

天花粉 / カヤンとクシ

世界のさまざまな民話や伝説を坂田流ユーモアで味付けした、おかしくてちょっと不思議なアジア変幻記。
どんな破天荒な展開もさいごはまるく収めてしまう、おおらかな懐の深さが魅力。とぼけた作品揃いで、読んでいるだけでほっと肩の力が抜ける感じ。
表題作「カヤンとクシ」のラストシーン、クシが蛇の頭を掻いてやるところでじ〜んときてしまった。他愛もないひとコマなのに、なんでなんだろう。優しさに、胸がつまった。