パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

悪魔憑きの男

悪魔憑きの男 (SHYノベルス263)

悪魔憑きの男 (SHYノベルス263)

「天使憑きの男」スピンオフ。
「天使憑きの男」を読んだときから楽しみにしていた悪魔憑き・叶枝×天使憑き・聖良編。前作がピュアホワイトなら、こちらはダークブラック。敵対し憎しみ合う二人の、爛れまくった肉弾戦ががっつりねっとり描かれている。
悪魔憑きに軟禁され、強制的に参加させられた淫靡なゲームに参加させられた聖良は、頑なに守った身の純潔を奪われ、翼とともにその高いプライドも踏みにじられた。しかし、叶枝に強いられた行為は、聖良にこれまでにない恍惚をもたらす。
沙野さんといえば、触手・獣姦・リバーシブルと、なんでもこいのエロフロンティア。「悪魔憑きの男」でも「空中衆人環視プレイ」「心臓わしつかみ」という新天地を切り開いていた。よくこんなアクロバティックなエロを思いつくよなあと、萌えより先に感心してしまった。
天使憑きである聖良は、罪の巣食った心臓に触れることで『喰罪』する。『喰罪』は贖罪の意味を成すとともに、罪を喰らって生きる聖良にとっては至上の快楽でもある、というのがこのお話の特殊エロ設定。
罪深い悪魔憑きである叶枝の心臓を聖良が喰罪するシーンは、まるで叶枝が聖良に陵辱されているかのような倒錯っぷり。受け攻めは叶枝×聖良なのだけど、リバーシブルな匂いがむんむん漂う描写が新鮮だった。