パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

クライ、くらい夜の終わりに

クライ、くらい夜の終りに (ショコラ文庫)

クライ、くらい夜の終りに (ショコラ文庫)

佐田さんの本の登場人物たちは、「なんでまたこんな面倒な相手と…」と思わずため息つきたくなるような恋愛にばかり挑んでゆくので気が気じゃない。
恋愛そのもの、というよりも消えない罪と愛することによる赦しを書きたい人だと思うので、一筋縄じゃいかないのは当然なのだろうけど。
信じあい支えあう、まっすぐ相手を思う恋とは正反対の、執着して疑って奪い合う、狂気すれすれの情念。いっそ不気味なのに目が離せない。
それにしても、このタイトルセンスだけはどうにかならなかったのか。