パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

キスと手錠

キスと手錠 (SHYノベルス)

キスと手錠 (SHYノベルス)

再読。
職人肌で硬派な漣と、天然だけどしっかり芯の通った和貴の楽しい掛け合いが読みたくて。和貴の素直な「はい」がかわいくって。こんな先生いたら、学校も楽しいだろうなあ。
この本、エンタメ・アクションBLとしても指折りの面白さ。
二百億の宝石の入ったアタッシュケースと手錠で繋がれた和貴は、宝石を狙うテロリストに身体ごと誘拐されてしまう。困難を極める錠前破り、獲物を争う敵との激しいカーチェイス、そして追いつめられた末、和貴と蓮は橋の上から愛を叫んで川へとダイブ!?
怒涛の展開を切り抜ける中、犯人と被害者という相容れない立場にありながらも、急速に惹かれあってゆく和貴と漣の二人にドキドキしっぱなし。
最新式リモコン操作型手錠の周波数解析や、ネットを利用したアンダーグラウンドでの宝石売買の実態、といった設定がしっかり描かれていて、安心してのめりこめる。理系のエッセンスをエンタメに還元した物語が描ける人というのは、ことBLでは稀少な存在。
こうなると、未読の「ボディガードシリーズ」が気になって仕方ない。また本屋へ出かけるかな…。