パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

最凶の恋人―ルームメイト

最凶の恋人―ルームメイト (ビーボーイスラッシュノベルズ)

最凶の恋人―ルームメイト (ビーボーイスラッシュノベルズ)

「あのぉ、水壬楓子さんの「ルームメイト」っていう本ありませんか?新装版の…」
「すみませーん、もう全部出ちゃったんです!新装版だし、ペーパー付きで」
「やっぱりそうなんですか〜、もうどこいってもなくって…」

というような会話が、発売当時、行きつけの書店で交わされていて「へ〜、そんなに人気な本があるんだあ」と心のメモ帳に書きつけておいたこのタイトル。先月2巻が発売された折には、帯にしっかり「緊急重版!」のことばが入っていた。
こうくれば、やおい者の端くれとして、いっちょどんなもんかと読んでみたくなるってもん。ヤクザ×美人の組み合わせも好みだし、と1巻を手にとってみた。
……ふむふむなるほど、たしかにこれぞ王道BLという感じ。
傍若無人な俺様にみえてそのじつ遥にぞっこんな、狼の皮を被ったヘタレ攻めヤクザ・柾鷹。柾鷹の強引さにも決して屈しない芯の強さをみせながらも、快楽には弱い淫乱美人・遥さん。
「ヤクザもの」といってもハードな描写は一切なく、好きよ嫌よのすったもんだのすえに「じゃあ、身体に教えてやるぜ」ってなお色気フルコースがお待ちかね。もともと「黒ラキ」から出ていただけあって、エロも大盤振る舞いです。難しいことは考えず、素直になれない大人のアダルトラブを堪能。
意地っ張り受けが好物な私としては、散々あれこれされながらも、なかなかなびかない遥さんの強情さがツボ。