パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

冗談やめて、笑えない

冗談やめて、笑えない (プラチナ文庫)

冗談やめて、笑えない (プラチナ文庫)

地味顔で存在感ゼロの友のことを、たったひとり「かわいい」といってくれる年上の幼馴染みの一夏。
誰からも愛される一夏が兄弟同然に育った自分にだけ安心してあまえてくる。可愛がられる喜びと、恋愛対象とされていない苦しさ板ばさみに複雑な気持ちを抱えながらも、一夏のそばにいられるだけで友は幸せだった。しかし、一夏の経営するホストクラブで働く友に、一夏のかつての同僚であるAV会社社長の和田が言い寄ってきたのをきっかけに一夏の様子がおかしくなり…。
イケメンのくせして不細工萌えな一夏と、心の中では一夏にメロメロのなのにそれがまったく顔に出ない無表情人間・友の、ちぐはぐなラブコメディ。
「恋するには遠すぎて」もそうだったけど、栗城さんの描くラブコメのキャラクターたちって、相手に恋してるというより「萌えてる」って感じがする。最高に想いが盛り上がっている最中にも、どこか冷静に相手を観察・分析している視点がある。この俯瞰して身悶えるような距離感が腐女子的だな〜と思ったり。