神とペン
- 作者: 柳沢ゆきお
- 出版社/メーカー: ブライト出版
- 発売日: 2011/05/27
- メディア: コミック
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表題作「神とペン」は、ろくでなしのエロ漫画家・幹男がゴミ捨て場で拾った女装男をヤッてしまったことから始まる、珍妙な共同生活。
目覚めた女装男は、カップ麺も知らなければセックスもはじめての自称・神様。ブラウン管に映し出される戦争報道に涙し、天国から来たと云って笑う青年に、幹男は惹かれてゆく。
別れをおそれる幹男が、青年にいつまでここにいられるか、と問うてからの二人のやりとりがうまい。
いつかはいなくなるんだろう?と尋ねる幹男に、青年は「それは お前の方だ!」と激昂し、「こんな怖いこと 知らなかったのに」と涙を流す。なすすべなく青年を抱いた幹男は、「そうだな でも俺だって…知らなかったんだ」と聞かせるともなく呟く。
神である青年は「知らなかった」のは、限りある生命の果かなさ。そして、ろくでなし男もまた、誰かを愛することの恐さを「知らなかった」。「知らなかった」という一言に、それぞれの人生がこめられている。
短編ばかりなので、もっと長いお話も読んでみたいな。長い物語の部分部分を切り取ったような断片的な作品が多くて、内容を把握しきれなかったものもしばしば。「さすらう よるの ながくに ルララ」とか、前後をくわしく教えてほしい!