パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

恋と刑事

恋と刑事 (花音コミックス)

恋と刑事 (花音コミックス)

ちょっと奥さん、素敵なリバがありますよ〜!
捜査中、妙に可愛げのあるゲイの青年・ハルキと出会った、所轄刑事の土田。怜悧な印象とはうらはらに話すとくるくる表情の変わるハルキが気になって、二人はなりゆきで一線を超えてしまう。しかし、じつはハルキは本庁の警視だった。
もう、これはハルキが受けだろ!こんなにクールで可愛い眼鏡のエリートときたら、受けで決まりだろ!!と息巻いていたところが、予想外にハルキががさつな土田を押し倒してしまった。
ええ〜!個人的にはハルキ受けのが…モゴモゴ。と歯切れの悪い気持ちでいたのだけど、読んでいて気づいた。
見栄や意地に拘らず、ハルキを受けいれてしまえるところこそが、何より土田の懐の深さなのだ。
タチネコでいえばハルキは基本的にタチなのだけど、それはハルキのほうが土田に対して強い希求を抱いているからに過ぎない。精神的には、二人はどこまでも対等だ。その証拠に抱かれてるのは土田でも、事後に腕枕されているのはハルキのほうだったりする。なにそれ、萌える!
ひたむきに土田を求めるハルキの一途な情熱と、そんなハルキを包み込むような土田の優しさ。愛のかたちはそれぞれで、だからこそこんなにも哀しくいとおしい。