パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

キャンディ 1

学校のアイドルと、学園一のクールビューティ。一見理想のカップルに思えるふたりの恋は、実は誰よりもどかしい。
おしとやかロングヘアーの千秋先輩と、ちょっとやんちゃで元気印の可南。好対照なふたりは、いかにも眼にうれしい組み合わせ。不器用な千秋先輩の、臆病だけどひたむきな恋心に触れて、可南のまっすぐな「好き」の気持ちがあふれ出す。
指先がふれただけで真っ赤になってしまう、ういういしくてやわい恋心がかわいい〜。
…のだけど、ついふたりを男子変換して読んでしまうくらいには、ホモ好きな私。可南がとてもボーイッシュで女を感じさせないから、あまり百合らしい情念のもつれを感じないのだよね。
おもうに私は、BLを読む際にはある種のフィルターをとおしているんだろう。だから、男同士がいちゃいちゃしているだけのやおいもファンタジーとして割り切って楽しめる。
だけど、百合に対してはさほどファンタジー・フィルターが発動されないので、あまいだけのストーリーより、ちくっとリアルな棘を感じさせるものに惹かれるのかもしれない。
個人的な嗜好についての考察。