パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ちーちゃんとおーちゃん

おーちゃんとちーちゃん (二見書房 シャレード文庫)

おーちゃんとちーちゃん (二見書房 シャレード文庫)

大手ゼネコンの双璧とうたわれるエース社員の、人にはいえない秘密。それは…太田は男らしい容貌に似合わぬ粗○ン。小木は繊細な容貌を裏切る無毛巨○。
恵まれた容姿を裏切る下半身のせいで、互いにいまだに童貞のふたり。どうにかして、三十前に童貞をきりたい…!と苦悶する男たちのまえに現れたのは、天狗の子どもと名乗る少年・飛鳥。なんでも望みを叶えてくれるという飛鳥に、藁にもすがる思いで願いを託すが、願いを叶えることと引き換えに、互いの体液を交換することを条件にされて!?
何も考えずに笑えるアホエロを期待して手にとったのだけど、まさしく期待どおり!
会社では自信に溢れるエリート社員が、自分の息子に「ちーちゃん」「おーちゃん」なんて名前をつけてお風呂でひっそりおしゃべりしてるって…!あんまり気の毒で笑いがとまりません。
「体液交換」なんていうエロのための設定がある以上、ひたすら色っぽい展開が続くのかと思いきや、切磋琢磨しながら認め合ってゆく二人の仕事ぶりもしっかり描かれていて、ライバル萌えの私としては一粒で二度おいしい。
顔を合わせれば喧嘩ばかりの犬猿の仲の二人が「なんでこんな野郎に…!」と地団駄踏みながら恋に落ちてしまう、というシチュエーションが心底大好きです。