世界の果てで待っていて 〜嘘とナイフ〜
- 作者: 高遠琉加,茶屋町勝呂
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 新書
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うなるほどに上手いっ。
当て馬登場だとか、姫君危機一髪だとかのBL的お約束は一切抜き。あくまで過去の事件との対峙を通して、統一郎と雪彦の関係を突き詰めていく骨太な物語を堪能。
これまで「わかっている」と信じていたはずのものが、近づくことでわからなくなる。組織に属する雪彦と組織を去った統一郎には、けして埋められない溝があり、それはそのまま彼ら二人の考え方の違いでもある。
いつも笑っている統一郎の心には、冷えて固まった石のような部分がある。常に沈着な雪彦だが、怜悧な面の奥に、いざとなればその身を投げ出すことも厭わぬ情熱を秘めている。何もかもちがっていて、でもどうしても嫌いになれない。腹が立つのと同じだけ、こいつにはかなわないとも思っている。
ああ、ほんとうにいいなぁ、この二人。
物語もすごくいいヒキで終わっていてくるおしい。はやく、続きを!