パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

おまえにUターン

おまえにUターン (ディアプラス文庫)

おまえにUターン (ディアプラス文庫)

帰省のおともにふさわしい一冊だった。
東京の大手企業をやめて実家に帰った主人公が、幼馴染みで親友だった友人の防災会社に永久就職(?)を決めてしまうというUターン就職BL。
さすが地方発BLの名手・いつき朔夜。おもしろいところをついてくる。BLの職業ものには、化学工場から町のクリーニング店まで、ありとあらゆるものがあるけれど、主人公が防災会社で働くBLははじめて読んだ。
自分としては「攻め」のつもりだった光晴が、かつては美少年だった親友の弘夢に、まんまと下克上されてしまうところがこの本の萌えどころ。
悪戯も冒険もいつもいっしょの「ツレ」だった光晴と弘夢。経営者と社員になっても恋人どうしになっても変わることのない、対等なふたりの関係性がすがすがしい。