パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

或るミステリ作家とその担当編集にまつわる記録

或るミステリ作家とその担当編集にまつわる記録 (GUSH COMICS)

或るミステリ作家とその担当編集にまつわる記録 (GUSH COMICS)

もうもうもう、倫敦巴里子さんだいすき…!
ずるかったり、いやらしかったりするのに、でもやっぱりこれって純愛だなって。
表題作はエロアンソロのお題に沿って描かれた連作集。純情童貞ミステリ作家・波木と、ゲイの快楽主義者にしてドSの敏腕編集者・猪又の身体からはじまる恋のお話……というと陳腐だけど、じつにせつなく匂い立つ官能の物語になっている。
身体だけでつながる関係のぬるい心地よさや、砂をかむような不毛さや、よどんだ独占欲、本気になることへの恐れ。いろんなこんがらがった感情と言葉にできないいとおしさが伝わってきた。
単なるサービスシーンにとどまらず、エロがふたりの関係性を体現している。満足!