パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

砂漠の双つの月 上

砂漠の双つの月〈上〉 (アクア文庫)

砂漠の双つの月〈上〉 (アクア文庫)

「地球」という星の存在すら、伝説のなかに語られるのみとなった遠い未来。広大な宇宙の片隅でアスラエールはトゥリアを見つけた。
文明も価値観も、時の流れすら異なる星に生まれたふたりは、ろくにことばも通じぬままに恋に落ちる。それぞれの使命を背負う彼らがともに生きる道ははたしてあるのか。時を超えてめぐりあった恋人たちのSFラブロマンス。
読み終えて無性に「宇宙飛行士への手紙」が聞きたくなり、CDをひっぱり出した。
他人と異なる時間の流れのなかで生きてきたアスラエールの孤独や切なさが、彼がそれを嘆くことがないぶん、よけいにひたひたと心にせまる。