H・Kドラグネット 4
- 作者: 松岡なつき,乃一ミクロ
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/10/27
- メディア: 文庫
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毎月、ジェイソンとクレイグの丁々発止の痴話喧嘩(なんていったら、さぞかしクレイグは憤ることでしょう…笑)を楽しみに生きていたのに!いつかジェイソンの口説き文句にクレイグが照れながらもまんざらじゃない顔を見せてくれるといい、と願っていたのに…!
クレイグのすべてを手に入れたいジェイソンと、誰の支配も受け入れないクレイグ。
二人の望みが交わることはけっしてなかったけれど、異なる望みを持つ異なる人間として、それでもともにあり続けた。決して相手の前に膝折ることなく、己の信念を貫き通したクレイグとジェイソンの生き様は、ほんとうにかっこうよかった。最後まで、互いの「好敵手」としての位置は揺らがなかった。
こんな最後は受け入れたくないのに、「まっとうした」と言葉のほかに云いようがない。すごく切ないのに、すごく満たされたラストシーン。
光に満ち溢れた浜辺に、ジェイソンとクレイグが背を並べて座る口絵のイラストがすばらしい。ジェイソンが望んだことって、きっとこんな、ただ平穏なだけの時間だったんだろうなあ。
読了後見返した瞬間、ぶわっと涙腺が緩んでしまってまいった。