パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

HARD LUCK 4 PARADISE ON THE EARTH-1

ついに物語は、エドワードとタクヤの秘められた因縁へと踏み込んでゆく。
これまでに幾度となくほのめかされてきた、エドワードの過去がついに明らかに。そしてそれをきっかけにふたりは、想像を絶する事実と直面する。
3巻とはうってかわって、非常にシリアスな新章の幕開け。このぴんと張った細い糸を慎重に慎重に手繰り寄せていくような心のやりとりこそが菅野彰の本領であり、業なのだと思う。本能や衝動に身をまかせるのではなくどこまでも知性と言葉によって、互いの心を縒りあわせてゆこうとする静かなる闘争。
ああ、菅野彰の小説だ…とかみしめながら読んだ。