レベルE 1-3
- 作者: 冨樫義博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/03
- メディア: コミック
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- 作者: 冨樫義博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/10
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- 作者: 冨樫義博
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- メディア: コミック
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H×Hにつながる要素はこの時点でほぼ出揃っている。異なるのは、掘り下げの深さ。「レベルE」が浅いというわけではけっしてない。エンタテイメントとしてはこの時点で過不足なく完成されている。
ここではあくまでネタとして昇華させた、富樫義博ならではのナンセンスや毒や不条理といったものを、とことんシリアスに掘り下げていったのがH×H、とくに蟻編だと思う。
「レベルE」でも文句なく面白いのに、そのさらに先があるとは。どんなに待たされても、やっぱり待つだけの価値がある。
彼の漫画にはひとつ揺ぎ無い信念がある。それは、世の中の正義や善悪に頼るのではなく、自分のことは自分で決着をつけろということ。
飛影が雪菜にきかせた言葉も、ゴンがクラピカの復讐に手を貸さなかったのも、清水が人魚に銃を渡したことも。紳士淑女の道徳など霞んでしまう、残酷なほどに高潔な意思。この峻烈な意思に触れるたび、自分はただ流されて何か見失ってないか?と、立ちどまってかえりみる。