パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

告白はフルコースのあとで

告白はフルコースのあとで (二見書房 シャレード文庫)

告白はフルコースのあとで (二見書房 シャレード文庫)

再読。
人の話をきかないレストランオーナーと、ハマグリ級に堅物なフードコンサルタントが、超赤字レストランの再建を通じて心を通わせてゆくロマンスコメディ。
あらためて読むと、脇の倫子さんがじつにいい女。
BLの女性キャラクターはどうしても極端になりがちだ。能天気に男同士をたきつける腐女子とか、えらく空気の読めないスイーツ女子とか、まったく弱さをみせない鉄人女とか、ラブストーリーのための道具になってしまうことも少なくない。
倫子さんもメインのふたりの恋愛を進展させるための当て馬にはちがいないのだけど、役割の奥にはきちんと彼女自身の物語が存在している。たとえ脇役であってもしっかり人間が描かれている小説は、やはり読みごたえがある。