off you go
こわいこわいとずっと避けていると、頭のなかで恐ろしさが結晶化されてどんどんこわくなっていく、みたいなことがあるけど、まさにそれだったんだろう。
一穂ミチの本、じつに一年ぶりに読みました。
- 作者: 一穂ミチ,青石ももこ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/03/15
- メディア: 文庫
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ずっと遊んでようぜ。
俺とお前と静、三人で
子ども同士の交わす、やわらかでかたい指きりみたいな「ずっと一緒に」の約束にすこぶる弱い。そのうえ、男女3人なんて、正直これだけで涙腺がまずい。だって無理だ、そんなの。好きなら好きなほど、ずっといっしょになんていられるわけない。心の椅子は、いつだってひとつきりだ。
でも、果たされるかどうかの打算なんて、幼い彼らの心うちには欠片もない。一転の曇りもない、限りなく永遠に近い「ずっと」。そんな永遠に触れられるのは、ほんの一瞬でしかないのに。
でも、その一瞬がながい人生を照らし続けることもある。そしてそのまぶしさに、べつの何かが見えなくなることも。
読み返すたびになにか発見するというか、気づかされる。何度もひきこまれては揺さぶられ、はっとする。仰ぎみるような気持ちで、好きだと思う。