パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

純情な人のように、さよなら

純情な人のように、さよなら (ビーボーイノベルズ)

純情な人のように、さよなら (ビーボーイノベルズ)

再読。
小説としては上手くない(すみません)と思うのに読まずにいられないのは、この人の描く男たちが抱える「生きづらさ」みたいなものに惹かれてしまうからだろう。
真面目に正直に生きようとしては、まともに他人とぶつかって、すっ転んで、瑕だらけになって。愚かとしかいいようのない不器用さなのに、嫌いになれない。泣くに泣けない無様な生き様にシンパシーを感じてしまう。