パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

天地明察 上

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

上巻読了。
彼方まで澄み渡る星空のような春海の真摯な情熱に、ふかくふかく胸打たれる。
若者も年寄りも、武士も市井の庶民も関係ない。夢を追うこと、情熱に生きることに資格なんていらないんだということを、この本に出てくる登場人物たちは、己の人生を賭して証明している。
人生の終わりに差し掛かってなお、学ぶ謙虚さ、よりよくなろうとする意欲、そして知るよろこびを忘れない伊藤&建部のお達者組の輝きったらなかった。自分もこんな風に年を重ねることができたらと心底思った。