パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

恋する丸メガネ

恋する丸メガネ (マーブルコミックス)

恋する丸メガネ (マーブルコミックス)

ひとをイラっとさせる「面倒な男」。そしてそのオトメな心を包む豊かな「胸筋」。
このふたつをを描かせると天下一品のケビンさん。デビュー作「ビックリするほどドジな恋」からすでにコメディアンとしての才能を発揮しまくっていたが、こちらでも負けじと笑わせてもらった。
委員長みたいに口うるさい丸メガネの新米社員・木村智紀は、呑気でおおらかな先輩・奥山に片想い中。奥山だ大好きなのに、ついキツい言葉でつっかかってしまう自分を反省した智紀は、なんとか素直になろうとするが身についた性格はなかなか治らない。
喜怒哀楽が豊かで、いつもオーバーアクションな智紀の一喜一憂に吹き出す。とくに、衝撃を受けたときの劇画顔はとても受けとは思えない迫力。奥山のライバル・多田も女の子をひとりじめするため奥山をホモにしようと画策する、という最高に器の小さい男で期待を裏切らない。
涼しい顔して水面下で猛烈に水をかく白鳥・多田と、オーラで女の子が倒れてしまう真の王子・光武央児(まんまやんけ!)の番外編がこれまた秀逸だった。
王子様になりたかったはずが、逆に王子に口説かれて精神崩壊寸前の多田が気の毒で笑いがとまらない。「必ず私を好きになってもらうぞ、覚悟はいいな?」なんてぶちかました口説き文句、たしかに王子の器がなきゃ口に出せません。続編が楽しみ!