パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

500年の営み

500年の営み (Feelコミックス オンブルー)

500年の営み (Feelコミックス オンブルー)

雑誌で一話目を読んで以来、コミックス化を待ち侘びていた。
かけがえない恋人を失い、自ら命を絶った主人公。
永い眠りについていた彼が再び目を覚ますとそこには、250年後の世界が広がっていた。誰も知るもののいない世界で、ただひとり彼のもとに残されていたのは、死んだ恋人のアンドロイド。
恋人とは似ても似つかない偽者のはずなのに、この愚かな機械と過ごす時間は孤独な青年の心を慰めてゆく。
500年という途方もないときの流れに翻弄されながら、ふたりは一途に相手を想い続ける。
この永くも短い人生において、生きるというのはただ時を過ごすことではなく、自分以外の何かのために己の命を捧げることなのだと知る。