パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

頬にしたたる恋の雨

頬にしたたる恋の雨 (ディアプラス文庫)

頬にしたたる恋の雨 (ディアプラス文庫)

久我さんの芸人シリーズはもはや「ブランド」と呼ぶべきクオリティですね。
どの本を手にとっても間違いなくおもしろい。おもしろさ品質保証済みです。
今回は時代をさかのぼり漫才の黎明期を描く、いわゆる時代もの。
おちこぼれの落語家がやり手の興行師に導かれ、漫才師としてのスターダムを駆け上ってゆく。テレビなんてなかった古きよき時代、身ひとつで観衆を沸きあがらせた芸人たちの一本筋の通った生き様にしびれた。
舞台の上ではけして私情を交えぬプロ根性と、とことんあまいプライベートのめりはりが「すいかに塩」な美味しさ。