パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

お護りします、どこまでも

お護りします、どこまでも (キャラコミックス)

お護りします、どこまでも (キャラコミックス)

上京当日に就職先が倒産というピンチに陥った瑛。
古くからの友人である智尋の厚意にあまえて居候生活を始めるのだが、じつは智尋はとんでもない大金持ち大羽家の御曹司。「自宅警備」要員だったはずの瑛は、長兄の失踪によって跡取り候補となった智尋の身辺警護を任されることになってしまう。
瑛はだらしなくて女の子に弱い、どこにでもいそうな若者。男に一途に慕われるという想定外の事態に、めろめろというよりもたじたじ。どんなにイケメンで優しくてお金持ちの超優良物件でも、相手が男っていう時点でロマンスじゃなくて受難だよな…というBLで忘れがちな常識を思い出させてくれた。
智尋は智尋で、いいところのボンボンのわりにおごったところがないとうか、好きな子に強引にでられない性質で、王子様というより捨てられた子犬攻め。拉致されたり襲われたりと危なっかしい智尋をどうにも放っておけなくなって、とうとうちゃらんぽらんだった瑛も「お護りします」と腹をくくる。
少女マンガの定番である騎士とお姫様の構図でありながら、通常とは受け攻めがさかさまになっているところがおもしろい。
多用されるネットスラングや内輪ネタと、やけに時代めかした大羽家の設定のミスマッチがどうにも違和感でいまいち萌えらなかったのが残念。