パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

くろねこ屋歳時記

くろねこ屋歳時記(クロニクル) (Canna Comics)

くろねこ屋歳時記(クロニクル) (Canna Comics)

夢に破れて恋人に捨てられ、都会から出戻った酒屋の息子・大介。
すべてを失って落ち込んでいたところに声をかけてきたのは、酒も色事も大好きな日比暦神社の変人神主・鹿郎だった。
頭でっかちな青少年が飄々と生きる大人に手ほどきされて成長していく、という展開は椹野さんのお得意のパターン。小さな悩みもささいな喧嘩も、みんなでおいしいものを食べればまるく納まる。健やかで等身大な市井のひとたちの恋模様。
「くろねこ屋」というレトロなカフェを中心に、和洋折衷な町の雰囲気も素敵。
漫画だけではやや設定がわかりづらかった。コラボ作品の文庫とあわせて読むといいかも。